Home ブロガー 「ムリなくできる親の介護」を出版した作家・ブロガー 工藤広伸さん46 : 地域 – 読売新聞

「ムリなくできる親の介護」を出版した作家・ブロガー 工藤広伸さん46 : 地域 – 読売新聞

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授 両親と祖母の介護で2度離職した。今は認知症の母(75)が住む盛岡市の実家と東京都の自宅を年間約20往復する遠距離介護を続ける。「自分の体験を伝え、介護に対する不安を少しでも減らしたい」。介護作家・ブロガーとして、著書「ムリなくできる親の介護」を昨年12月に出版した。

 都内の企業で管理職を任されていた34歳の時、父が脳梗塞(こうそく)で倒れた。兄は他界しており、介護者は自分しかいない。社会的地位の喪失、無収入、離婚……。未知の介護を前に悪い発想しか浮かばなかった。会社を辞め、「積み重ねたもの全てを失った」と思った。

 父がリハビリで一時回復したため再就職したが、40歳の時、祖母が子宮頸(けい)がんで余命半年と宣告され、母も認知症と分かった。再び離職して、1年後に祖母を90歳で、5年後に父を76歳でみとった。

 当時は治療や介護、葬儀で貯金が減り続け、焦りが募った。「今なら頼るべき所や人、制度が分かるので、冷静に対処できる」。自分の体験を伝えることが介護を始める人の役に立つと思った。

 後に人気ブログとなる「40歳からの遠距離介護」を開設したのは、祖母と母の介護を始めた翌年の2013年3月。初めの1年は1日数人の閲覧だったが、徐々に増え、情報サイトの連載依頼や週刊誌の取材が入った。介護の苦労も「ネタになる」と前向きに考えられるようになった。

 介護保険サービスの上手な使い方や認知症介護の心得を解説する本も4冊書いた。夏に庭仕事をしている時、冷たい水を持ってきた母が、そのことを忘れて繰り返し運んできても「愛情に何度も触れられる」と捉えるなど、「受け止め方ひとつでプラスに考えられるコツ」も伝える。読者から「本に救われた」と手紙をもらい、講演会の来場者からは涙ながらに握手を求められた。収入は会社員時代より少ないが、「人生の満足度や充実度は10倍」とほほ笑む。

 後悔もある。祖母は認知症で意思疎通ができず、延命治療の希望を聞けなかった。祖母の命日には、母から治療や葬儀の希望を聞いてエンディングノートを毎年更新している。「不安を抱えながら選択を迫られる家族にとって、本人の希望が道しるべになる」

 盛岡から自宅に戻る時、母は玄関先に立ち、息子の姿が見えなくなるまで笑顔で手を振ってくれる。切ない気持ちになるが、遠距離介護を続ける理由がある。妻や友人のいる東京での生活を維持し、「自分の人生を諦めない」ためだ。子どもが介護に苦しむ姿を、親は見たくないと思う。

 17年冬、母と2人で北海道の函館を旅した。次は富士山を見せてあげたい。「がんばり過ぎずに力を抜き、母と一緒に人生のゴールに向かいたい」(徳山喜翔)

 くどう・ひろのぶ 1972年、盛岡市生まれ。東京都の大学を卒業後、一般企業に就職したが、介護のため離職した。趣味は、診療所帰りの母と盛岡市でランチの店を開拓すること、ジム通い、ひとりカラオケ。座右の銘は「禍(わざわい)を転じて福と為(な)す」。東京都で妻と2人暮らし。著書「ムリなくできる親の介護」は日本実業出版社刊、税別1400円。

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