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「ERPの終わりの始まり」–サブスクリプションモデルのZuora創業者

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 デジタルトランスフォーメーション実施の必要性が叫ばれる中で、企業の収益を左右する事業モデルに根本的な変化が起こるとの指摘が増えてきた。その一つが、雑誌の定期購読にもなぞらえる「サブスクションモデル」である。

 品物の購入で終わる関係ではなく、月額モデルなどで顧客が対価を支払い、契約に応じて品物を利用する。サブスクリプションモデルを実施するためのソフトウェアを提供するZuoraの創業者で最高経営責任者(CEO)、Tien Tzuo(ティエン・ツォ)氏に話を聞いた。

 Tzuo氏は、サブスクリプションモデル実施の例として、Fordがカーシェアリングや駐車場予約といったサービスを提供するようになったことを挙げる。「Fordは自動車メーカーからサービス事業者へと変貌を遂げる」とTzuo氏。ポルシェは月額2000~3000ドルで車両の登録代金から保険、税金、保守費用を含めたサブスクリプションサービスを提供する。顧客のニーズに柔軟に対応し、売り切りでは得られない顧客との長い関係を継続できる点が、サブスクリプション型の事業モデルの魅力と言える。


Zuoraの創業者で最高経営責任者(CEO)、Tien Tzuo(ティエン・ツォ)氏

 定期購読型で使用料を支払うサブスクリプションビジネスに取り組む企業は、一般消費者やエンタープライズといった垣根を持たず、新たなビジネスモデルへの変革を自ら起こそうとしているのが特徴だ。Zuora Japan社長の桑野順一郎氏は「アプリを通じたサブスクリプションモデルで1日1杯までならラーメンを定額で楽しめるサービスも始まった」と笑顔を見せる。

 こうした新たな事業モデルを展開するためには、サブスクリプションモデルに対応したマネジメントシステム自体にもかかわるとし、それを提供するのがZuoraであるとTzuo氏は強調。「これは、これまで主流であったERPの終わりの始まりを意味する」と話す。

 ERP(統合基幹業務システム)は、1990年代から普及し始め、オンプレミスシステムとして、現在も数多くの企業が基幹システムとして活用している。だが、要件定義について、すべて開発前に確定しなくてはいけないウォーターフォール型の開発手法であることなどを背景に、システム構成が静的であるといった特性がある。

 日次の売り上げ集計や人事労務管理、定型の需要予測などユーザー企業の事業モデルが固まっている場合などは、ERPはその処理能力の高さから、夜間バッチなどの使い方を交えながら効率的な事業管理につながる。

 だが、サブスクリプションをベースとした新たなビジネスモデルを構築する際には、ユーザーであるサブスクライバーを中心に、サービスや顧客体験、チャネルなどの関係を固定せず、状況に応じて柔軟に組み替えていく必要が出てくる。

 「その場合、ERPのようにプロダクト、チャネル、顧客の関係が固定化している仕組みでは対応できなくなる」とTzuo氏。


ERPのモデルからサブスクリプション管理システムへ

 取って代わるのが、Zuoraのサブスクリプション管理システムであるとの主張だ。同社が提供する「Zuora Insights」は、契約数や顧客維持率、解約率といったサブスクリプション指標を可視化し、サブスクリプションビジネスに必要な情報を自動算出する。顧客を中心に、リアルタイムで情報を集計するのが特徴だ。

 可視化した情報はダッシュボードから閲覧し、平均顧客収益や顧客生涯価値などを用いたフィルタリングで、焦点を当てるべき顧客を浮き彫りにする。また、会計指標と各データを融合することで、顧客を分類し、収益機会を明確化する機能も持つという。

 アップグレード、顧客からのサービスへの申し込みや解約への対応などにも柔軟に対応できることなど、データの処理がより動的である点がERPと比較した利点と言える。

 ビジネスモデルの変化に加え、既に進んでいるインフラのクラウド化も後押しする。直近1年の売上高は既に3.4倍に上り、コマツ、リコー、横河電機、オービックビジネスコンサルタント、弁護士.comなど30社を超える企業がZuoraを採用。パートナーとして、富士通、電通・電通デジタル、ソニーペイメントサービスなどが加わった。ERP市場の置き換えを狙うZuoraのソフトウェアは、今後の市場環境を見通す上で面白い存在と言えそうだ。

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