Home モデル 【テスラ モデル3 2900km試乗】驚異的な性能だが、まだ万人にオススメはできない[後編] – レスポンス

【テスラ モデル3 2900km試乗】驚異的な性能だが、まだ万人にオススメはできない[後編] – レスポンス

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テスラのミッドサイズセダン『モデル3』での2900kmロングドライブ。前編は旅を支える航続性能と充電に関してリポートした。後編では動的な性能、快適性&ユーティリティ、運転支援システム&コネクティビティ等について述べていこうと思う。

操縦性はファン・トゥ・ドライブそのもの

まずはボディ&シャシーの出来だが、これは非常に良かった。モデル3は後輪駆動がベース。ロングレンジAWDは前輪にもモーターを置くAWD(4輪駆動)だが、操縦性はファン・トゥ・ドライブそのもので、エキサイティングですらあった。

ステアリングを切った時のヨーの発生が自然で、前輪外側のサスペンションが滑らかに沈む。そこからアクセルペダルの開度を増していくと、前輪がコーナーのイン側に鼻先を軽く引っ張るような感覚で安定した対角線ロールを作る。ブレーキング時の前傾姿勢も綺麗だった。身近なエンジン車でドライブフィールが似ているものを挙げると、近年までスバルが作っていたAWDスポーツセダン『WRX STI』あたりだ。

高速道路のクルーズフィールも良い。のんびり流しているときにはあまり意識しないが、新東名で最も速い流れに乗るくらいの速度域になると、乱流の発生で針路を乱されないようなぴたっとした安定性が実感できるようになる。日産『リーフ』など他のBEV(バッテリー式電気自動車)も同様なのだが、床下をサスペンションアームの部分以外、ほぼ完全フラットに作れることや、重いバッテリーを床下に積むことで生まれる低重心が好作用しているのではないかと思われた。

鈴鹿の手前、東名阪自動車道御在所サービスエリアにて。
テスラが自社製ボディ第1号の『モデルS』を出したのは2012年で、それからまだ10年も経っていない。そのモデルSや大型SUV『モデルX』も素晴らしい走りを見せていたが、モデル3はそれらと比べても格段にナチュラルで人間の生理にかなった動きを見せる。たった数年の進化ぶんでこれだけ高い運動性能と良好な操縦フィールを出せるというのは正直驚きであった。

筆者は次々に出てくる新興メーカーにレガシーメーカーが対抗するには、長年蓄積してきた動的質感の作り込みで差別化すればいいのではないかと何となく考えていたが、モデル3のドライブで、そのアドバンテージはすでに崩れたと思わざるを得なかった。テスラは若いメーカーゆえ、何十年も同じ会社でクルマを作り続けてきたという人材はもちろんいない。開発部隊は世界の自動車エンジニアの寄せ集めである。が、“こんなクルマを作りたいのだ”というビジョンがハッキリしていれば、それで十分素晴らしいクルマを作れてしまう時代がとっくに来ていたのだ。

乗り心地の違いはタイヤの差か

乗り心地はドライブ前の期待値よりやや落ちるというものだった。2019年7月に日本で初ドライブした左ハンドルのロングレンジAWDは乗り心地も大変高質で、ガタガタ感、突き上げ感なしに路面の情報のみをかすかな振動で伝えてくるという大変好ましいものだった。今回の右ハンドル版も新東名をはじめ舗装面は滑らか、アンジュレーション(路面のうねり)も長周期といったコンディションでは素晴らしく快適だったが、舗装面の状態が悪かったり周期が短く深いアンジュレーションが連続するようなコンディション下では滑らかさを欠いている印象を受けた。目の粗い舗装面ではタイヤのパターンノイズも少なくなかった。

両者の乗り味の違いが何に起因するものなのかは不明だが、一因として考えられるのはタイヤの銘柄。サイズそのものは短距離テストドライブした左ハンドルと同じ235/40R19だが、銘柄は左ハンドルがドイツ、コンチネンタル社製の「Conti ProContact RX」オールシーズンタイヤであったのに対し、右ハンドルは韓国、ハンコック社製の「VENTUS S1 evo3」サマータイヤだった。

タイヤは韓国ハンコック「VENTUS S1 evo3」でサイズは235/40R19。アンダーステアの出方は素晴らしかったが、乗り心地は固め。タイヤは韓国ハンコック「VENTUS S1 evo3」でサイズは235/40R19。アンダーステアの出方は素晴らしかったが、乗り心地は固め。
VENTUS S1 evo3はハイパフォーマンスセダンへの採用実績が豊富なモデルで、モデル3の運動性の高さを演出するのにも大いに貢献しているのは間違いないであろうが、タッチとしてはショルダーからサイドウォールにかけての剛性がかなり高い感触。こういうタイヤを上手く履きこなすにはホイールが小刻みに上下する微小ストロークの特性が良いショックアブゾーバーを使う必要があるのだが、モデル3のショックアブゾーバーはそこについてはあまり得意でないようだった。コンチネンタル「Conti PremiumContact 6」のようにサイドウォールの柔軟性が高いサマータイヤを試したくなるところだ。

動力性能は掛け値なしに素晴らしいものだった。若干の登り勾配で合法的に加速を計測できるところでの0-100km/h加速のGPS実測値は4.2秒と、カタログスペックを上回った。何のテクニックも要らず、アクセルペダルをただドーンと踏み込むだけでこれだけの加速を得られるのである。600最高出力は非公表だが、車重1.8トン台のボディに平均0.67Gもの加速度を与えることを勘案すると、電気モーターのピーク出力は前後合計で300kWをゆうに超えるものと推測される。速度計は実速度100km/h時に101km/h表示と、かなり正確であった。

居住性とラゲッジスペースは

リアシート。足元空間は全長4.7m級のセダンとしてはもっとも広いもののひとつであろう。リアシート。足元空間は全長4.7m級のセダンとしてはもっとも広いもののひとつであろう。
次に居住性とラゲッジスペース。車室はパワートレインが前後方向のスペースを食わないBEVの特性がめいっぱい生かされており、全長4.7m級のセダンとしてはまさに見た目を裏切る、望外の広さだった。とりわけ後席のレッグスペースの広さはプレミアムDセグメントの水準を完全に超えており、余裕たっぷりである。

車内は十分に広い開口面積のウインドウと標準装備のグラストップにより、採光性が非常に良いのが特徴。この車内の明るさはモデル3に漂うアメリカ西海岸的陽気さの源泉のひとつであろう。そこに華を添えるのがクリアでパワフルなサウンドのオーディオ。銘柄は明らかにされていないが、600万円級のモデルのメーカー標準装着オーディオの中では図抜けてハイパフォーマンスだと感じられた。

グラストップには欠点もある。炎天下では正直、暑い。高熱線吸収タイプではあるが、炎天下ではガラスそのものが熱を持ち、その輻射熱がダイレクトに頭に伝わってくるのだ。純正オプションでメッシュタイプのシェードが売られているが、断熱効果のほどは不明。

グラストップは車内を明るくするのに大いに貢献した。ただし夏季はそれなりに暑さを感じるであろう。グラストップは車内を明るくするのに大いに貢献した。ただし夏季はそれなりに暑さを感じるであろう。
さすがに太陽大好きなカリフォルニア人であっても暑いと感じる人が多かったのか、アフターマーケットでも断熱効果をうたうシェードがいろいろ製作されている。欲しいものがあれば作ってしまえというのがアメリカンスピリット。そういうものを通販で買うのもひとつの手だ。

ラゲッジルームはリアシート後方とフロントボンネットフード下の2か所で、メインとなるのはリアのほう。そのリアラゲッジルームだが、奥行きは十分な半面、タイヤハウスの張り出しが結構大きく、トランクの奥のほうの幅のゆとりはそれほどでもない。それでも短期海外旅行用の63cmトランクなら3個は縦積みできそうな感じであった。

床下には結構大きなサブトランクスペースがあり、CHAdeMO充電器用アダプタなどかさばる常備品は全部そこに入れておける。フロントのほうは容量自体は100リットルもなさそうだが、深さは結構あり、ボストンバッグのように柔軟性のある荷物荷物ならそこそこのサイズのものを数個収容することができるようであった。

フロントボンネット下もラゲッジスペースが備えられている。フロントボンネット下もラゲッジスペースが備えられている。

質感はライバルに遠く及ばない

内外装の質感はあまり高いとは言えない。まず外装だが、ドアやボンネットなど可動部のすき間が今どきのクルマとしては珍しいほどに大きい。その部分だけを取り上げれば、まるで昭和時代のクルマのような風合いである。バンパーやメッキモールと鋼板部のチリ合わせもわりと適当な感じで、いろいろなところに細かい段差が見受けられた。面白いのはそれらが走行中にぴゅーぴゅーと笛吹音を立てたりといったことがまったくなかったこと。機能が優れているのだから、そんな細かい合わせ目なんぞどうでもいいと考えるユーザーにとっては、ほとんど気にならないであろう。

デザイン自体はごくオーソドックスな4ドアという感じだが、実物は力感がある。筆者はモデル3のアンヴェイル当時、配信された写真を見て「これはいくら何でもいささかちんちくりんな形ではないか」と思ったのだが、今どきのクルマは立体視しないと写真では雰囲気が伝わりにくい。2018年秋に初めて実物を目にしたときは、写真から受けた印象よりずっとバランスが良いと思った。

緻密な空力デザインはモデル3の特徴のひとつ。フロントエンドの造形も気流を斜め上に跳ね上げるような処理を持っていた。緻密な空力デザインはモデル3の特徴のひとつ。フロントエンドの造形も気流を斜め上に跳ね上げるような処理を持っていた。
このロングツーリングではいろいろな角度からゆっくり観察する時間があったが、非常に抑制的でスリークなのにマッシブな要素も感じさせるという不思議な形をしていると思った。

インテリアは簡素すぎるくらい簡素。すべての視覚的情報は中央の液晶ディスプレイに表示され、その他のスイッチはシフトレバー、方向指示器、ワイパー操作レバー、そしてステアリング上に設けられている2つの十字+ローラー+プッシュキーくらいだ。

質感的にはエクステリアと同様、プレミアムミッドサイズクラスのライバルの標準に遠く及んでいない。素材は見た目にプラスチッキーで、感触も安っぽい。ダッシュボードに貼られた木目調化粧板に至っては、それがあることでかえって質感を損なうのではないかというくらいの安っぽさである。伝統的なプレミアムセグメントの価値観を重んじる顧客には、この質感の低さは少々受忍限度を超えているのではないかと思えた。

ステアリングホイール上の小さな十字キーを駆使することで大半の機能操作が可能であった。ステアリングホイール上の小さな十字キーを駆使することで大半の機能操作が可能であった。

つまらないことにこだわらない姿勢

機能面では一転、何と素晴らしいクルマなのだろうと感動するくらいだった。最近はコマンドを機械式のスイッチではなくタッチパネル上で操作するクルマが激増しているが、使いづらかったりわかりにくかったりと、ほとんど良い印象がない。テスラの場合、そのタッチパネルしかないというくらいの作りである。ドライブを始めた直後は「こんなにスイッチが少なくて大丈夫なのか」「ディスプレイですべてを操作するなんてやりにくいし危ないのではないか」などと思っていた。ところが、実際にドライブしてみると、案に相違して、ほとんど不都合を感じなかったのである。

エアコン、オーディオ、ハンズフリーフォン、ナビゲーション、走行情報表示、運転支援システム等々、操作する項目によってステアリング上の2個のスイッチに割り振られるコマンドが変化するのだが、後述するナビゲーションを除き、それが直感的につかみやすい。機能が見つからない、どうやったら選択、実行できるかわからないということがほとんどないのである。メニューのディレクトリ構造の設計は今まで乗ったクルマの中でもブッチギリに優れているというのが率直な印象であった。

つまらないことにこだわっていないのも面白いところだった。最近、自動車業界はクルマにボイスコマンドを実装するのがブームになっており、システムの呼び出しを「ヘイ、〇〇」「OK、〇〇」などと呼びかけで行うモデルが続出している。プラットフォーマーにライバル心を燃やしているのに、やっていることはスマホコンプレックス丸出しなのである。モデル3はそんなことはやっていない。ボイスコマンドはステアリング上のスイッチを押すことで起動させる。わざわざ「OKなんちゃら」なんて言わなくても手元にスイッチがあるのだから、それを使ったほうが話が早いだろうというわけだ。

先進性を見せつけようという自己顕示欲を捨て、デジタルガジェットとしての使い勝手の向上に専心すれば、こんなにも良いインターフェースができるのかと感心した。コネクティビティなどの設計でやたらとデキる奴のふりをしたがるレガシーメーカーの開発者も、この姿勢は見習っていただきたいところである。

運転支援システム、カーナビに「深刻な弱点」

レーダー、レーザー、カメラでクルマの全周囲を監視。その様子をディスプレイに映すこともできる。こんなに見えているのかと驚くほどだった。レーダー、レーザー、カメラでクルマの全周囲を監視。その様子をディスプレイに映すこともできる。こんなに見えているのかと驚くほどだった。
機能・操作系には深刻な弱点もみられた。ひとつは運転支援システムとカーナビで、どちらも日本仕様へのローカライズが甘い…というか、まったく未完成という印象であった。

運転支援システムはおおむねレベル2に相当するであろう「オートパイロット」のベータ版が実装されていたが、レベル2以前のアダプティブクルーズコントロールの機能からして不完全。高速道路のアンジュレーション通過時にフロントが大きくバンピングすると、路面を前方障害物と誤認するのか、頻々と急ブレーキがかかった。車線維持についても誤認は多め。結局、2900km弱の旅程の9割以上をオートクルーズを使わずに走った。

このオートパイロット、海外ではオートパイロット任せでクルーズし、ドライバーが昼寝をしているのをパトロールカーが見つけて逮捕…といったニュースが時折流れてくる。とんでもない出来事だと思うが、かの地ではオーナーがシステムの能力をそれだけ過信するくらいに優れたパフォーマンスを示しているということでもある。

日本でもモデル3の実走行データがオンラインで蓄積されるにつれてソフトウェアが改良され、自動的にアップデートされるだろうというのがテスラジャパンの釈明であった。モデル3には半自動運転を行うためのレーダーや全周監視カメラが標準装備されているので、今後の向上にはもちろん期待したいところだが、本来はこういう機能については散々作り込んでから販売するというのが自動車メーカーの責務。それをおろそかにする姿勢はちょっといただけない。

ダッシュボード中央に置かれたインフォメーションディスプレイ。ワイド画面なのでカーナビの縮尺を過度に縮小しなくても広い地域を表示できる。ダッシュボード中央に置かれたインフォメーションディスプレイ。ワイド画面なのでカーナビの縮尺を過度に縮小しなくても広い地域を表示できる。
カーナビも性能そのものは良さそうだし、何と言っても大画面ディスプレイであるため地図の表示も細密から広域まで実に見やすいものがあった。が、ボイスコマンドや地図上のタップでダイレクトに目的地設定などを操作するときは大して困らないのだが漢字入力の作り込みが不完全で、住所や施設名などを入力して検索しようとするときちんと変換されないなど、“日本語版”になりきれていないところがあった。

案内時、たとえば音声で「今、左折です」と案内するとき、「コンサセツデス」と発声される。笑い話のネタとしてはありかもしれないが、こんな一発でわかるプログラミングミスもデバッグされていないというのは、これまた開発のスタンスがなっていないと言わざるを得ない。

もう一点、これは早急にバグフィックスを行うべき案件だが、ロングドライブ中に一度、ディスプレイがブラックアウトした後にテスラのロゴマーク表示とともに再起動するということがあった。このとき、ディスプレイが暗転しただけでなく、エアコンのブロワーがいきなり最強になったりしたので、クルマの制御を行うECUとも何かの形で連動している可能性がある。

再起動が発生したのは停車中であったので実害はなかったが、走行中であればたとえ走行機能自体に障害が生じずとも、スピードメーターがしばらく見られなくなるだけでも大ごとである。テスラとしても、驚異的な高性能で上げてきた評判を信頼性の低さでみすみす落としたくはないであろう。しっかり改善してほしいところである。

まとめ

福岡のテスラ・スーパーチャージャースポットはコメリパワー須恵店の敷地にあった。福岡のテスラ・スーパーチャージャースポットはコメリパワー須恵店の敷地にあった。
モデル3は少なくとも商品性に関してはまさにゲームチェンジャーとなれるだけの力を有した、エキサイティングでエコな素晴らしいクルマだった。プレミアムDセグメント(ミッドサイズ)セダンは老舗メーカーの力作がひしめく激戦区だが、モデル3に乗るとそれらのクルマがカビの生えた前時代の遺物のように思えたほどであった。

充電に関しては今後、普及台数が増えたときの使い勝手や充電事業のサスティナビリティを考慮するとまだまだ長足の進歩を要するものの、使う側の立場からみれば、今くらいの充電速度と航続距離でも何ら長旅をためらう理由はないというくらいだった。

そんな素晴らしいモデル3だが、品質問題や作り込みに関してはネガティブ要素が少なからずあり、まだまだ万人におススメはできない。クルマの能力や先進性については文字通り圧倒的なものがあっただけに、そこがつくづく惜しいところだった。ひと昔前のイタリア車、フランス車よろしく、クルマとはそもそも完全に信用するには足りないものであるという感覚でいられるユーザーであれば、驚異的な性能と素晴らしいドライブフィールを味わえることの喜びが結構深刻な作り込みの甘さへの懸念に優越することだろう。

アメリカ車といえば大味という先入観があるが、モデル3は山岳路で屈強な足腰を見せた。アメリカ車といえば大味という先入観があるが、モデル3は山岳路で屈強な足腰を見せた。
一点、気がかりなのは、今後日本に入ってくるモデル3のうちスタンダードプラス、およびロングレンジAWDについては中国工場製になるということ。前編でも触れたように、お値段は劇的に引き下げられた。クルマの組み立て自体はアメリカも中国も大差ない…というか、場合によっては中国のほうが良いという可能性もある。問題はバッテリーが異なること。

中国産モデル3は、正極材料にパナソニックが得意とするニッケル=コバルト=アルミニウムではなく、リン酸鉄を使用したバッテリーを搭載するという。リン酸鉄はかつてソニーが先駆的に研究していたものだが、2000年代に台湾経由で中国に技術が流出し、現在は中国産バッテリーの一大陣営となっている。組成がコバルト系のレイヤー構造やマンガン系のスピネル構造よりも強固なオリビン構造となるのが特徴。

性能的には平凡だが熱暴走しにくく、経年劣化が小さく、急速充電などのハードな使用にもよく耐える…というのが本来の特質だが、中国製バッテリー搭載モデルが実際に謳い文句どおりのパフォーマンスを示すかどうかは現時点では未知数。データが出揃うのを見てから買っても遅くはないだろう。機会があれば筆者も中国産モデル3をあらためてテストドライブしてみたいところだ。

性能面以外でも懸念はある。中国は現在、香港の一国二制度を事実上無効化し、ウイグルやチベットではエスニック・クレンジングを行っているとして世界から非難を浴びている。クルマに限った話ではないが、そういう国で作られた製品を購入することが消費行動として妥当かどうか。

モデル3は性能・価格比では最もお得なBEV

これらの問題を差し置けば、モデル3は性能・価格比では最もお得なBEVだが、グレードチョイスは少々迷うところ。とにかくクラス最速レベルの速さを手に入れたいというのであれば、今後もアメリカ製が入ってくる最上位の「パフォーマンス」一択。0-100km/h加速が3.3秒と、平均加速度は1Gに近い。ほとんどスーパースポーツの世界である。

が、今回乗ったロングレンジAWDも、パフォーマンスよりは遅いというだけで、絶対的な加速力は0-100km/h加速の実測値4.2秒と、十分に驚異的。プレミアムDセグメントクラスでこれに匹敵する加速力を持つのは特殊な軽量モデルくらいのもので、それを買うにはモデル3の2倍以上のお金を出さなければならない。足も長く、エコランなどに気を配らずとも、長距離ドライブを存分に楽しめる。

そこまで長距離を走らないというユーザーなら、バッテリー搭載量が少ないスタンダードプラスで十分。0-100km/h加速の公称値は5.6秒と、シリーズ中いちばん鈍足であっても絶対的には十分以上に速い。WLTP航続距離は公称448km。ロングレンジ版の実走データから推測するに、のんびり走ればこれでも東京~名古屋を無充電で走り切ることができるだろう。

テスラ モデル3 ロングレンジAWDのサイドビュー。テスラ モデル3 ロングレンジAWDのサイドビュー。

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