Home モデル 【冨永愛、モデルへの道 Vol.26】3年ぶりの復帰。東京ファッションウィーク日記(後編)

【冨永愛、モデルへの道 Vol.26】3年ぶりの復帰。東京ファッションウィーク日記(後編)

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(前編はこちらから)

10月19日、「Amazon Fashion Week TOKYO」もいよいよ最終だ。
この日は、今回のファッションウィークの目玉コレクションと言っても過言ではない「ANREALAGE」のショーに出演することとなった。
日常(A REAL)と非日常(UN REAL)、そして時代(AGE)を融合させた独自のブランド名を掲げたアンリアレイジ。その信念を貫き、ファッションの新しい表現を追求してきたデザイナーの森永邦彦さんによる4年ぶりとなる東京での凱旋ショーだ。

音楽はサカナクションの山口一郎さん、演出はライゾマティクスリサーチが手掛ける。15周年という記念すべきコレクションということもあって注目度は高い。想像しただけでもワクワクするし、私の期待もかなり高い!

今回のショーは、ロケーションがまたすごい。 
品川に新設されたアマゾンジャパンの巨大な撮影スタジオのワンフロアーがショー会場となるのだ。

コンクリート打ちっ放しの倉庫のような会場のバックステージに、午後早めに集合したモデルたちは2時間半という長い時間を使ってのリハーサルを終え、ヘアメイクの準備を整えた。

オープニングを飾るモデル(私を含む)は、今期のパリで、“A LIGHT UN LIGHT COLLECTION” と題して発表された最新コレクションを纏っている。
紫外線に当たると黒色に変化するという、話題のドレスだ。

フューチャリスティックな素材で作られたボタンやスタッズなどが全身についていて、まさにシャンデリア状態。
動くとパーツが揺れて、ジャラジャラと音を立てる、とてもとても重いドレスだった。

いつもの感じで大胆なウォーキングをすると、ドレスのパーツが揺れすぎて、美しくないだろう……。足は蹴りださないようにして、両手はあまり降らずに歩こう。
ショーの前には、ポージングのタイミング、はけるタイミングを頭の中でおさらいした。
今回は通常のランウェイとは異なり、過去のアーカイブスも含めて発表されるということもあり、シリーズごとに演出が転換していくのだ。

重低音が響き、太鼓の音の乱律が印象的な音楽からショーは始まった。

スクリーンの壁をバックにモデルが立ち止まり、フラッシュが焚かれると、壁にモデルの影が残ったり、壁に映し出されたデジタルマッピングとモデルの動きがシンクロしたり、音響とテクノロジーとファッションが溶け合う壮大なインスタレーションが繰り広げられた。
常にファッションの枠を超えて、最先端のテクノロジーや新素材を取り込む森永さんのアーティスティックな服作りの方向性を、空間全体で表現する素晴らしいプレゼンテーションだった。

今回は、東京コレクションに参加することで、東京の今を感じたいと思っていた。
しばらく業界を離れ、時代の流れも変わってきているのを感じていたし、感覚も取り戻したかったという狙いもあったのだけれど、久しぶりの「東コレ」は、たくさんの懐かしい顔に会うことができたし、みんな、私の復帰を喜んでくれていたのが、素直に嬉しかった。

オフしていた3年間は短いようで、流れの速い業界の中では、充分な変化のあった時間だったようだ。

私は、いつの間にかベテランとなった自分の立場に、少し戸惑いながらバックステージにいた。
私が世界中をコレクションサーキットで周っていた時のように、海外を飛び回るモデルたちと、これからそこを目指していく新人モデルたち。
律儀に私に挨拶しに来てくれたり、気を使われるのもなんだか照れくさくって、自分が一番年下で破天荒だった頃のことなんて、ついこの間のことのように思い出せるのに……この私が、ベテランの姉さんらしく立ち振る舞うというのも苦笑いを隠せない。

世阿弥が記した能の理論書「風姿花伝」の「問答条々」には、”芸の魅力がなくなってしまうのも認識せずに、昔の名声ばかりに頼ろうとすることは、古株の役者の甚だしい誤りである” とある。
「数々の演目をこなしたとしても、芸の魅力の見せ方を知らない役者の能は、花の咲かぬ季節の草木を集めて鑑賞するようなものだ」とも。

能楽師と方々と同じように考えるのは恐れ多いのだけれど、これからの私に大切なことは、このことなのだと思っている。

今を感じて、今を生きる、ということ!

復帰する際に、モデルを軸として歩んでいくことを決めた私にとって、これから先も現役でいるということは大きな挑戦だ。

努力、という言葉を口にするのは元来嫌いなタイプなのだけれど、それがなければ今の私もいないだろうし、これからの私もいないだろう。
今回のランウェイを歩いてみて、ドレスの見せ方や難しい衣装の歩き方、ターンの仕方も、まだまだ先がある、開拓する余地があると思ったし、ランウェイだけではなく撮影に関しても、表現の奥深さは海のように広大だ。

そして何よりも、ランウェイを歩くことは私にとっての最高の喜び!
そう再認識することができただけでも、今回出演させてくださったブランドの皆様には本当に感謝している。

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