
フェイスブックジャパンは26日、企業のインスタグラム活用法についてオンラインイベントを開いた。独自のアルゴリズム(計算手法)を使って顧客になりそうな消費者に商品などをアピールできる「発見型コマース」として、幅広い企業の利用を促していく。
インスタグラムは2010年に写真投稿アプリとして誕生し、12年に米フェイスブックが買収した。日本は特にユーザーが増えている国の一つで、月間利用者は3300万人にのぼる。グローバル利用者の9割が企業アカウントをフォローしているという。

日本の利用者はインスタをきっかけにした購買意欲も旺盛だ。ショッピングタグが付いている投稿などから商品の詳細情報を見る割合は他国の約3倍だという。フェイスブックジャパンの味沢将宏社長は「好きな情報を見つけるためにインスタを使う人が多いので、発見から購買までをシームレスに(継ぎ目なく)引き起こせる」と話す。

実際、「無印良品」の良品計画は多面的に活用している。アカウント画面でミニサイトのようにセールや新商品の情報を投稿するほか、商品を使ったコーディネート紹介や店舗スタッフによる収納アドバイス動画もある。投稿直後はネット販売が増えるため、在庫を多めに準備するという。
米国でテストしているのはAR(拡張現実)を使ったショッピング機能だ。スマートフォンのカメラで現実世界に実寸大の商品画像を重ね合わせれば、店舗に行かなくても部屋に合うかを試せる。米国ではインスタ上で決済が完了する機能も試験中で、日本でも導入されれば便利な買い物の手段として広まりそうだ。
日本には米国外で唯一、プロダクト開発チームが置かれている。インスタグラム本社の製品部門責任者、ヴィシャル・シャー氏は「QRコードの搭載は日本発で開発し、グローバルに展開した。他にも日本の利用行動は多くのヒントになる」と話した。
(中藤玲)
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