Home ブロガー インデックス投資の元祖ブロガーは、どうやって株価暴落に耐えたのか 水瀬ケンイチさん (1/3) – ITmedia

インデックス投資の元祖ブロガーは、どうやって株価暴落に耐えたのか 水瀬ケンイチさん (1/3) – ITmedia

14 second read
0
88


 個人投資家の方々に、投資遍歴から投資に対する考え方まで聞いていくインタビュー企画。第2弾は、15年前からインデックス投資を行っている、インデックス投資の元祖ブロガーともいえる水瀬ケンイチさんに話を聞いた。

 今でこそ、金融庁が旗を振って「長期・積み立て・分散」の投資法を勧め、「つみたてNISA」など制度上も優遇策を用意しているが、水瀬さんがインデックス投資をスタートさせたのは15年前だ。そもそも投資をしようと思ったきっかけはなんだったのだろうか?

 「最初は普通の株式投資でした。医療系の友人と、老人ホームに入るのにいくらかかるか知っているか? という話が出たんです。入居するのに1000万、2000万円、さらに月々料金がかかると聞いて、高いものなんだなと。当時は、合コンやスノーボードばかりやっていたのですが、世間の平均貯蓄額を調べると自分が平均以下だということに気づきました。増やさなきゃと思ったのですが、貯金を月に1万、2万円貯めていったらいくら貯まるのだろうか? と計算したら、とても老人ホームに入るのに足りない。増やさなきゃと思って投資を始めました」

 最初に取り組んだのは、企業業績を分析して割安な会社の株を買うバリュー投資だった。デイトレードも試行錯誤で試した。

 「もうかったり損したり、通算ではトントン。トントンの割には手間暇かかって、手数料分だけ損したかもしれません」

 当時は試行錯誤をしながら、図書館で投資関係の本を棚の端から端まで読み込んだ。その中で、チャート分析から『金持ち父さん 貧乏父さん』などの啓もう書籍、そしてウォーレン・バフェットの投資法についての書籍まで、さまざまな投資手法を学んだ。

 水瀬さんは、真面目な研究家肌の雰囲気。普段はIT系企業に勤めており残業もあるという。バフェット流のバリュー投資だと企業分析が欠かせないが、水瀬さんは四半期決算も有価証券報告書もじっくりと読み込むタイプ。これでは休日も潰れてしまう……というところで出会ったのがインデックス投資だった。

 「その中で、インデックス投資が一番ピンときました。何もしないほうが結局リターンが大きいということに衝撃を受けました。凝り性なので、仕事中に携帯で株価を見たくなり、仕事にも差し支える寸前まで凝ってしまったので、これはいけないと思っていたのもありました」

 インデックス投資を研究するうえで、一番しっくり来たのが『ウォール街のランダム・ウォーカー』だった。1973年に初版が出て以来改訂を重ね、現在は第11版の邦訳が登場している。水瀬さんが運営するブログ「梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー」も、この書籍から名前を取った。

 インデックス投資は、インデックスを買って持ち続けるだけ……と聞くと簡単に聞こえるが、実践するにあたってはいくつかの落とし穴がある。水瀬さんに注意点を聞いてみた。



生活防衛資金はいくら用意したらいいのか?

 ファイナンシャルプランナーも各種の投資本も、必ず説くのが「投資の前に生活防衛資金を用意しなさい」ということ。これは病気やケガ、退職などに備えて、イザというときのために取っておく現金相当の資金を指す。投資資金とは別に持っておくことで、急にお金が必要になったときも投資資産を売ることなく生活できる。

 しかし生活防衛資金をいくら用意したほうがいいのかについては、生活費3カ月分から数年分までさまざまなことがいわれている。水瀬さんは「生活費の2年分」だと話す。

 「木村さんの『投資戦略の発想法』で読んで感銘を受けたのが生活防衛資金の考え方です。2年分は多すぎると思うかもしれませんが、何が起きても、会社をリストラされても災害にあっても、自分と家族の生活を守れる地盤を固めた上で(投資は)やるものだと」

 実際リーマンショックの際には、会社をリストラされてしまったが11カ月かけて再就職先を探し、結果的に待遇の良い就職先を見つけたという人もいる。3カ月程度の生活資金では、当座の生活はなんとかなるかもしれないが、再就職の際に自分を安売りせざるを得なくなる。少なくとも1年は転職活動にかけられるくらいの余裕を持つことが重要だというのが水瀬さんの考えだ。

 「『2年分は多い。それだけのお金を作れないから投資をするんだろう』と怒られたりもしますが、年収の2年分ではなく生活費です。だから節約生活をすることも大事になります」

どのくらいのリスクを取るべきか?

 資産運用のポートフォリオを組む際に、必ず出てくるのが「自分が耐えられるリスクにしておきましょう」という言葉。では何を目安に「耐えられるリスク」を考えたらいいのだろうか?

 「まず貯蓄可能額があたります。年に100万円貯蓄できる方なら、それだけの額を失っても1年でばん回できるという考え方です。もうひとつは(日本の公的年金を運用する)GPIFのリスクに合わせる方法です。GPIFはディフェンシブなので、それと同じ許容度にしておけばリスクを取りすぎではないはず。年率10%程度が無難でしょう。あとは夜ぐっすり眠れるか? それが最終的には重要です」

 いくつかの考え方があるが、資産の変動が気になって夜眠れなくなったらリスクの取りすぎだ。水瀬さんは、リーマンショックの際に1年で資産が半減したが、そのときも毎晩ぐっすり眠れたと話す。

 「自分が楽観的ということもありますが、たっぷり生活防衛資金があるので、投資資金が増えたり減ったりしても関係ないやと思えたんです」

暴落中に売りたくなったらどう耐えるか?

 インデックス投資は「安く買って高く売る」ではなく、経済成長に伴う株価の上昇を長期間かけて享受しようという手法だ。だから、株価が暴落した際にも、売って逃げ出したいという気持ちを何とか抑えて、持ち続けることが大事。しかし、リスクが高いポートフォリオであるほど売りたい気持ちに負けてしまいそうになる。水瀬さんは、どう耐えてきたのだろうか。

 「インデックス投資を始めようと思ったときに参考にした本を読み返すというのが一番効きます。ニューヨーク・ダウの数十年のグラフを見るとか、インデックスを構成している上位の銘柄を見るとか細かな方法はいくつかありますが、平均株価が長期的に右肩上がりに推移することが期待できる、期待リターンがプラスだということを信じられるかどうかです」

 水瀬さんは、「インデックス投資の古典や名著から勇気を分けてもらう」と表現している。古典としてお勧めするのはやはり『ウォール街のランダム・ウォーカー』だ。

 「500ページもある分厚い本ですが、本当は『ウォール街のランダム・ウォーカー』をお勧めしたい。この本を読んでインデックス投資原理主義者になってくれというわけではないんです。この本では、全部の投資手法を学べて、でも(比較した結果)インデックスがいいですよ、と言っています。全部の投資法を網羅しています」

 もちろん、水瀬さんの近著『お金は寝かせて増やしなさい』も、インデックス投資のエッセンスがまとまっていて勇気を分けてもらえる本だ。さらに、水瀬さんは竹川美奈子さんの著書や、山崎元さんの著書の中で易しく書かれたものもお勧めしてくれた。



ロボアドバイザーはお勧めか?

 ではインデックス投資をするならいったい何を買えばいいのだろうか?

 「世界市場ポートフォリオを、つみたてNISAで少しずつ積み立てていくのがお勧めです」

 世界市場ポートフォリオというのは、全世界の株式に対して投資を行うインデックスファンドだ。どんなカテゴリーが伸びるとか、どの国が伸びるとか、そういった判断を必要とせず、世界全体の経済成長を資産増加につなげることができる。具体的なファンド名については、水瀬さんのブログで定期的に最新情報を掲載している。

 つみたてNISAは、税金の優遇策があるのが特徴だが、意外なメリットもあるという。

 「つみたてNISAがいいのは、途中で相場が良くなっても図に乗って追加投資ができないところ。上限が決まっているのは生活防衛資金を貯めるのにもいい」

 株価が上昇していると、つい余計に投資したくなってしまうが、株価が高いときも安いときも関係なく投資を続けるのがインデックス投資では重要。つみたてNISAは、年間投資上限額が40万円と決まっているので、無理な投資にならず、並行して生活防衛資金も貯められる。

 最後に、アルゴリズムに基づいて買い付けやリバランスを自動でやってくれるロボアドバイザーサービスについて聞いてみた。

 「ロボアドバイザーは意見が分かれています。自分でリスクを計算して安いインデックスファンドを買える人はそれが一番安い。一方で、ロボアドバイザーは投資のトの字も知らない人にはお勧めだと言っている人もいます。仮想通貨やレバレッジのかかった商品で一発勝負するよりも、1%の手数料がかかってもロボアドバイザーは入り口として有用だし、そういう仕組みがないと広がらない。

 ただロボアドバイザーの手数料1%は、私がインデックス投資を始めた頃のインデックスファンドの信託報酬に近いんですよ。現在は0.2%くらいまで下がっていますが、(1%の手数料を支払うのは)15年間の運用会社の企業努力を捨てるようにみえてしまう。暗黒の時代に戻るように思ってしまうんです」


Let’s block ads! (Why?)


Source link

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Check Also

NGTモデル起用のファッションブランドが釈明 – 日刊スポーツ

荻野由佳(17年12月1日撮影) NGT48の荻野由佳(20)をモデルに起用したファッションブランド「Heat … …