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エアバスが「空飛ぶ寝台」を旅客機に導入へ ただし、設置場所は貨物エリア内

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大手航空機メーカーのエアバスが、中型旅客機「A380」用の寝台モジュールを発表した。2020年にも提供開始されるという新しい設備は、寝台のほかにキッズルームやラウンジなども用意される。だが、話にはちょっとしたオチがある。その設置場所は貨物エリア内になるというのだ。そんな新しい設備の全貌を紹介しよう。

TEXT BY MATT BURGESS
EDITED BY CHIHIRO OKA

WIRED(UK)

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PHOTOGRAPH COURTESY OF AIRBUS

エアバスは2020年から、中型のジェット旅客機「A330」に寝台付きの客室モジュールを追加するオプションを提供すると明らかにした。しかし、この話にはひとつオチがある。乗客は“貨物室”で寝なければならないのだ。

新しい客室モジュールは、エコノミークラスやビジネスクラスの座席がある航空機のメインエリアとは分けられているが、寝台のほかに会議室やラウンジ、子ども用のエリアもある。エアバスと航空部品メーカーのゾディアック・エアロスペースは、通常の客室エリアではなくその下、つまり貨物室にこのスペースを設けることにした。

モジュールは従来のコンテナと同様に、貨物エリア内に固定することができる。電気や水道などは別の経路で供給する。理論上は、需要に応じて貨物用のコンテナとの置き換えが可能だ。

ゾディアックの広報担当者は、ドイツのハンブルクで開催された「Aircraft Interiors Expo(AIX)」で、モジュールの取り付けおよび取り外しは1日あれば完了すると説明している。A330シリーズは種類によって全長の異なる機種があり、大きさに合わせて3〜4つのモジュールを入れられる。なお、航空機によっては、すでに貨物室に乗務員用の休息エリアが設けられた機体もあるという。

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貨物室用モジュールのイメージ図。左はキッズルーム、右は医務室。IMAGE COURTESY OF AIRBUS

航空業界では、旅客機の貨物運搬需要の伸びが減速する一方で、旅客数は増加の一途をたどっている。ゾディアックは、この流れ対応するため新モジュールを開発した。同社は寝台スペースの料金について、実際に価格を決めるのは航空各社だが、通常の航空券プラスアルファになるのではないかとしている。

これは国際的な規定では、乗客は離着陸時および航空機が地上を移動している際は座っている必要があると定められているためで、寝台席だけを独立して販売することは不可能だからだ。販売価格は最終的には、エコノミーとプレミアムエコノミーの中間程度に落ち着く可能性が高いとみられている。

実用化と普及は航空会社次第

一方、エアバスの客室・貨物プログラムを率いるジェフリー・ピナーは、「旅客輸送における今回の取り組みは、快適さの向上への新たな一歩です」と話す。「複数のエアラインから、モジュールのプロトタイプについて非常に好意的な反応を得ています」

このアイデアが乗客に快適な空の旅をもたらすのか、また航空会社にとって新たな利益獲得の手段になるのかはまだわからない。どちらにしろ、実現はまだ先の話になりそうだ。

ゾディアックとエアバスは現在、プロトタイプではなく航空機に実装できるものを開発しており、そのあとに試験運用も行う必要がある。実用化は早くても20年か21年になる見通しだ。

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貨物室用モジュールには、さまざまなバリエーションが用意される。左はラウンジ、右は会議室のイメージ図。IMAGE COURTESY OF AIRBUS

ここ数年、航空機向けの新システムが数多く開発されている。今年のAIXでは、航空機メンテナンスを手がけるルフトハンザ・テクニックが機内の座席配置などを柔軟に変更できるサーヴィスを開始すると明らかにした。内装の変更はこれまでにも行われていたが、従来より低価格かつ短期間で提供が可能だという。だが、エアバスとゾディアックのモジュールの取り付け期間が1日なのに対し、ルフトハンザの場合は3カ月かかる。

イギリスのデザインコンサル会社シーモアパウエルのジェレミー・ホワイトは、将来的には航空機のオーダーメイド化はさらに進むだろうと話す。「まず標準型があり、そこに乗客の多様な要望に応じて効果的な変更を施せるような航空機が普通になるでしょう」。シーモアパウエルも以前、「Flex」や「Morph」といった座席のサイズや配置を変えることのできるコンセプトデザインを発表している。

しかし、こうした新しいシステムの導入が進むかどうかは、それを実際に使って利益を出そうとする航空会社にかかっている。ホワイトは「航空会社がこれまでとは違った混乱をもたらしそうな何かを採用するのには、それなりに勇気が要るものです」と指摘する。

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