Home モデル サーキットでも負けない“ストリート”モデル – GQ JAPAN

サーキットでも負けない“ストリート”モデル – GQ JAPAN

24 second read
0
13

サーキットの“狂速仕様”をベースとしたストリートモデル

ドゥカティのストリートファイターは、同社のフラッグシップであるスーパーバイクモデルをベースとしたネイキッドモデルである。1098をベースに2009年に登場したのが初出であるが、これがなかなかヤンチャなキャラクターで、ハイパワーのスーパースポーツをネイキッドモデルに変換させる難しさを感じたものだった。ストリートファイターはその後、ややフレンドリーなキャラクターの848をラインナップに加えていたが、2015年を最後にカタログからその姿を消していた。

そんなストリートファイターが2020年モデルで復活。ベースは狂速を誇るパニガーレV4で、モデル初となる4気筒エンジンを搭載。しかし、ベースマシンよりも過激な味付けが常のストリートファイター、その最新バージョンであるからして否が応でも緊張感は高まる。

2019年のミラノショーでこのマシンが正式発表される前の7月。アメリカの伝統的ヒルクライムレース、パイクスピークにそのプロトタイプマシンが参戦。コースレコードを刻みつつ、華々しいデビューをほぼ掴みかけていた。同社のムルティストラーダにはパイクスピークと名付けられたモデルも存在するほど、ドゥカティとこのレースの結びつきは強いのだ。このマシンもパイクスピークでの栄冠を携えて、ミラノショーでお披露目される、そんなストーリーを予想していた。ところが、ゴールラインまで残り数十メートルとなる最終コーナー立ち上がりでバランスを崩して転倒。勝利を逃しただけでなく、ライダーも死亡するというアクシデントが発生している。そのことも緊張感に拍車をかけていたのかもしれない。

© Simon Palfrader

Ducati Streetfighter V4S|ドゥカティ ストリートファイター V4S

想像をはるかに超えた乗りやすさ

ところが、そんな緊張感を吹き飛ばすほどに、走り出したストリートファイターは優しいフィーリングだった。

名は体を表す。とはいうが、ストリートファイターという名にピッタリなアグレッシブなスタイリングである。ライディングポジションは、パイプハンドルを装備したネイキッドマシンということを考えると前傾が強め。シート高も高めでなかなかに戦闘的なライディングポジションだが、これは208psというとてつもないパワーを知れば納得である。

排気音はなかなかの迫力だが、高回転志向のエンジンにありがちな低速域でのぐずつきなど皆無で、なんだか拍子抜けするほどスムーズである。

しっとりと落ち着いた足回りで当たりが優しいことも意外な点だ。これはクッション性の高いシートはもちろん、テストしたSモデルに装着されたオーリンズ製セミアクティブサスペンションによる恩恵も大きいだろう。

想像をはるかに超えた乗りやすさ。デビュー当時のパニガーレV4しか知らないと余計に驚かされるパフォーマンスであるが、よりスムーズなレスポンスに仕立てられた2020年モデルのV4に乗ると、その理由が少し理解できるだろう。

2020年モデルのV4はエンジンマネージメントが刷新され、車体設定もソフトな方向に改められた。それをベースとすることで、スタート地点のハードルが低められているのだ。

さらに、ストリートファイター専用にエンジンはより低中速域での扱いやすさを高めている。スイングアームも伸ばされ、ホイールベースも延長。単純にハンドルバーを変更しただけでなく、ステムのオフセット量変更等をベースにセットアップが施され、より優しいハンドリングを得ている。

装着されるセミアクティブサスペンションは低速域であっても、豊かな接地感を絶えずライダーにフィードバックしてくれる。そのうえで、サーキットなどのハイスピード時にはしっかりとした踏ん張り感を見せるのがメリットでもある。

ワインディングでは、パワーを持て余して走るのに難儀するのでは? という予想を見事に裏切ってくれた。低中速だけであっても十分パワフルで、パニガーレよりも余裕がある印象。また、多くのハイパーマシンにありがちな、本領発揮パートのみが刺激的で低速域は面白みがないといったことがなく、低中速だけでも完結してしまいそうな充実感があるのだ。

© Simon Palfrader

Ducati Streetfighter V4S|ドゥカティ ストリートファイター V4S

調度良いパワフルさだなぁ……などと一瞬思ってしまうが、アクセルを開ければ208psの本領を発揮。それは公道でフルに味わうのは到底不可能なワープ感をもってマシンを一気に別世界に連れ出してしまうのだ。

外観上の特徴でもあるウィングであるが、270km/hで28kgのダウンフォースを生み出す効果があるという。とはいえ、このマシンはストリートファイターである。そんな速度とは無縁の速度域が主戦場なのだ。ところが、高速巡航の80km/h程度であっても、フロント周りにしっとりとした落ち着きを感じさせる。聞けば時速50km/hで2kg、100km/hで4kgのダウンフォースを発生するとのこと。過去のストリートファイターにあったフロント周りのフラフラ感や接地感の希薄さを感じさせることがないこの安心感は、もしやウィングの効果なのだろうか? 実際には、車体設定が大きくものを言っているのだと思われるが「ウィングの効果」と信じてしまえば、この装備も誇らしく思えるはずだ。

ストリートファイトではなく、きっちりサーキットで白黒つけられるほどのポテンシャルを持つストリートファイター。しかし、そんなアグレッシブな性能を隠すこともできる、ワイドレンジなキャラクターがこのマシンの魅力となっている。

文・鈴木大五郎 写真・Ducati Motor Holding 編集・iconic

Let’s block ads! (Why?)


Source link

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Check Also

ENHYPEN、YouTubeチャンネル登録者数が100万人突破 JAY&NI-KIの髪色に反響も「金髪儚い…尊い…」 – 中日新聞

ENHYPEN(左から)JAY、JAKE、JUNGWON、SUNGHOON、SUNOO、NI-KI、HEESE … …