Home ブロガー トランプ大統領の後半戦|バンクーバー在住の人気ブロガー岡本裕明 – TORJA Japanese Magazine

トランプ大統領の後半戦|バンクーバー在住の人気ブロガー岡本裕明 – TORJA Japanese Magazine

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 アメリカ中間選挙が終わった。今回は大いに盛り上がったとされるが、分断化された世論が激しくぶつかったと解すべきであろう。少なくともアメリカ議会ではトランプ大統領の封じ込めは出来そうだが、果たして今後2年、この結果がどんなアメリカをもたらすのであろうか?


 今日のアメリカを論じる場合、オーケストラの指揮者たる大統領の表現力でハーモニーにもなるし、異音だらけの醜いものにもなると考えると分かりやすい。中間選挙で女性やLGBTの候補者たちが「もう我慢ならない」と立ち上がり、立候補し、新人議員として強い支持を得た。これはボイスとして評価しなければならない。しかし、経済や通商交渉においてトランプ政権が高い成果を上げたのも事実だ。

 ワシントンの頭脳と権力集団は大統領の人気バロメーターで動いているわけではない。アメリカを世界の中でどう表現し、どの位置に立つのか、それを行える人物が大統領として担ぎ出される、と言ってもよいだろう。言い換えれば大統領がモノを決めるというより「見えない力」が大統領の向かう道をリードしているといった方がよいかもしれない。

 そこからすると下院を制した民主党がトランプ大統領個人への憎悪をターゲットにするならば民主の力量は推して知るべし、となろう。アメリカは世界との調和を求めているのか、今の経済状況をもっと成長させたいのか、強いアメリカを作るのか、ここを解いていくと民主党の姿勢も雇用と経済に関してはトランプ大統領の共和党と案外合意する点は多そうだ。

 アメリカの今の雇用状況は48年ぶりの好水準にある。賃金上昇率も年3.3%程度と文句ないところだ。ここに至るまでオバマ政権時代を含めた様々な政策があったがトランプ大統領の企業国内回帰策、減税法案、NAFTAや中国などとの通商見直しが効果を表していることは否めない。

 トランプ大統領はビジネスマンだ、と本コラムの5月号でも書かせていただいたが、国民を従業員と見立てれば社長のトランプ氏が会社の業容を改善し、もっと儲かるアメリカにして給与もどんどん増える仕組みにしていると読み替えるなら民主党が経済面で文句を言う余地はさほど残されていないとみるべきだろう。

 こうみるとねじれ議会になったが、かつてない調和を生む公算はある。つまり、アメリカがより強くなるシナリオである。

 これから2年の運営だが、トランプ大統領は自国防衛と外交に重きをシフトするかもしれない。
 まず、移民の国アメリカの再定義をするかもしれない。例えばアメリカで生まれればアメリカ人になれた出生主義を見直す可能性は有りうる。移民は今後も積極的に受け入れるが、アメリカにどれだけベネフィットがあるかという観点を強化する見方である。よって中南米からの移民集団には厳しい対応を迫るのではないだろうか?

 次いで通商関係だが、中国とは妥協点を見出すとみている。何故ならトランプ大統領はどこかの時点で中国を利用したいと考えるからだ。それは対北朝鮮かもしれないし、対ロシアかもしれない。それに中国の経済的あるいは外交的潜在能力を軽く見過ぎるとあとでしっぺ返しが来ることも分かっているであろう。

 世界の中のリーダーシップという立ち位置も面白い切り口になる。まず、中国の習近平氏は国内経済立て直しに忙しい。ロシアのプーチン大統領もかつての勢いはない。ドイツのメルケル首相は退任を発表している。英国のメイ首相は英国離脱問題に筋道をつけるまでであろう。こう考えると目先安定しているのはトランプ大統領と安倍首相というシナリオになる。

 欧州が一枚岩になっていないこともトランプ大統領には追い風になる。イタリアのポピュリズムと極右政権をはじめ、ドイツなどで勢力を伸ばす右派はEUの連携に不安感を残すことになり、安定感あるアメリカへのシフトと期待は高まるだろう。

 もっともアメリカがそこまで盤石かといえばそうとは言えないこともある。FRBは金利を引き続き引き締めるとしているが、既に金利に敏感な住宅販売と自動車販売には陰りが見える。減税効果も来年の春ぐらいには切れる見込みで次のカンフル剤を待望する声は出てくるだろう。

 中国やメキシコ、カナダとの通商交渉で勝ち取ったものはブーメラン現象でアメリカにしっぺ返しが来る点もある。特に物価への影響は大きく、金利が上がる中での物価高では経済に軋みが生じやすい。更にはTPP11が2019年から本格的に動き出すことを考えるといつの間にかアメリカを取り巻く通商網という観点も懸念材料としては上がってくるだろう。

 トランプ大統領が奏でるこれから2年間のハーモニーはどんな音色になるだろうか。少なくとも2年前の就任時のようなドタバタ劇にはなるまい。個人的には案外うまく渡り歩き、後で振り返ればいろいろな意味で歴史に残る大統領になる気すらする。こんな大統領が出るのもアメリカらしいしそんな大統領が地球規模で頂点に立とうとしているようにも見える。


岡本裕明(おかもとひろあき)


1961年東京生まれ。青山学院大学卒業後、青木建設に入社。開発本部、秘書室などを経て1992年同社のバンクーバー大規模住宅開発事業に従事。その後、現地法人社長を経て同社のバンクーバーの不動産事業を買収、開発事業を完成させた。現在同地にてマリーナ事業、商業不動産事業、駐車場運営事業などの他、日本法人を通じて東京で住宅事業を展開するなど多角的な経営を行っている。「外から見る日本、見られる日本人」の人気ブロガーとしても広く知れ渡っている。

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