Home モデル マツダ100周年、こだわりまくって監修したモデルカーたち…デザイナー[インタビュー] – レスポンス

マツダ100周年、こだわりまくって監修したモデルカーたち…デザイナー[インタビュー] – レスポンス

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マツダは2020年、100周年を迎えた。それを記念しデザイナーが監修したモデルカーが続々と販売されている。そこで実際に担当したデザイナー諸氏にこだわりや苦労などについて話を聞いた。

ファンに人気のあるマツダ車を

今回モデルカーは新旧マツダ車合計40種類が予定されている。それらがどのような基準のもとに選ばれたのだろうか。マツダグローバル販売&マーケティング本部ブランド戦略部の中野雄介さんは、「始まりは2018年夏頃。100周年というタイミングが数年後に迫り、お客様にマツダの歴史を伝えたり感じてもらったりすることを考えていた」と振り返る。

「お客様とマツダの一番の接点はディーラーなので、そこでマツダの歴史を感じてもらいたいが、実車を展示するにしても、ディーラー数自体もたくさんあることからなかなか難しい。それであれば手頃なモデルカーという選択肢もあるのではないかとプロジェクトがスタートした。その結果一般的で手軽な1/43スケールが選ばれていった」

車種選択のポイントは、「ファンの皆様に人気の高いクルマが最もプライオリティが高かった。次にマツダ100周年なので、その歴史上意味のあるクルマ。続いて技術やデザイン的に意味のあるクルマ。そして多くの方にたくさん買ってもらったり、賞を獲得したりなどを加味して選考した」とのこと。実際には100台ほどがリストに挙がったそうだ。「そこから泣く泣く、例えば『ファミリア』はもっとたくさんあったが2台に絞るなどで、全40台になった」という。

また、デザイナーが監修する点については、「当時のクルマをなるべく忠実に再現したいという思いが第一としてあった。その思いをもとに、造形は造形のプロが、色は色のプロが見てというのが自然な流れで入っていった」とマツダデザイン本部カラーリストの寺島佑紀さんはいう。

しかし1/43スケールに単純に縮小すると違和感を覚えることもある。マツダデザイン本部デザイナーの藤川心平さんは、モデルカー作成の流れについて、「基本的には3Dスキャンで一度クルマを撮影し、それをベースにしているので大きくはずれない。しかしやはり多少印象は変わってくる。その理由は小さくなるとどうしても表現が弱くなる部分もあるので、ちょっとここは強めた方がいいとかを、ものを見ながら逐一修正していった」とデザイナー視点で説明。

ただし、「プロポーションをすごく変えるモデルカーもあるが、やりすぎてイメージが変わってしまうので、そこまで大きく変えないようにしながら、印象を近づける努力をしていった」と述べる。つまり、40種類1台1台微妙に調整をしたのだ。

新車当時をイメージしながら

そこで疑問となるのが3Dスキャンした実車だ。過去のクルマの場合、ある程度のモディファイなど手が加えられている可能性もある。

その判断は、「『R360クーペ』以降は当時のカタログがほぼ残っているので、当時の資料、カタログなどと比較しながら確認していった。オーナーから借りたクルマに関しては、「自己申告で、例えばホイールは変えているとか、フォグランプを追加しているとか情報をもらった」。

「それらと照らし合わせながら当時の市販された状態を忠実に再現するように1台1台監修を加えていった」と広報本部の新部哲郎さんはいう。純正オプションに関しても、「基本はオプションのも外した素の状態を原則としている」と述べる。

そして最も困難なのがカラーだ。その再現について寺島さんは、「基本的には資料ではなく実車を見ている。“パントン”というカラーチップがあり、これは色を指示するための世界共通言語。そのパントン何番など私が色を選んで実車と相違がないか現場現物で確認して、それを反映させた。本当にアナログ作業だった」と話す。

インテリアではそれは可能かもしれないが、エクステリアに関しては再塗装だけでなく、日焼けなどで変色している可能性もある。新部さんは、「その通りで、全く同じ色を努力して再現している場合は気にはならないが、特に古いクルマ、『コスモスポーツ』などの年代では塗装は劣化しており、塗り直しの場合もある。そこで私が当時の写真や実車をリアルタイムで見ている記憶と経験から、少し青みが強くなっているかとか、同じ年代の他のクルマの白を改めて塗装しているのではないかなど、知見や資料、想像を働かせながら特定していった」と苦労を述べる。

寺島さんも、「前田(デザイン・ブラントスタイル担当常務執行役員の前田育男氏)とも話をしているが、色はすごくリアルに出来ている。その当時の印象通りですごくいいといってもらえ、嬉しく思っている」と満足げだ。

さらに、カラーデザインの倉庫には、「当時の塗料を紙に吹いたアート紙があり、メタリックなども入っていて、本当にそのものの色、本物の資料もあった。そこで新部の記憶と本物の資料、私の現場現物確認、目で確認するなど色々な手法を使って再現していった」と寺島さん。新部さんも、「前職が塗装生産関係にいたことや、ボディカラーの標準板という見本になる板(デザインや開発が承認して配布されるもの)が残っているものは、実際にそれを用意してサンプルのモデルカーとも確認をした」とメーカーでなければ出来ないこだわりを見せる。

また、新部さんによると「メタリックなどの場合、実車の色板を使ったとしてもアルミ光輝材のフレークサイズが実際にモデルカーになった時には全然違ってくる。ギラギラしすぎるのではないか、逆にそこをあまり押さえてしまうとメタリック感がなくなるので、もう少し強調した方がメタリック色らしい特徴が表現できるかなど、1/43と全部機械的に縮尺するのではなく、実際に目で見た時の印象なども加えながら調整した」とさらなるこだわりを語った。

ダイキャストとレジンを使い分け

今回素材は35車種がレジン(歴史車両)で、残りはダイキャスト(現行車及びコンセプトカー)だ。これは2つのメーカーを使い分けたからだ。中野さんによると、「レジンはミニマックスのスパークというブランド。ダイキャストはインターライドだ」という。

「現行車(『ロードスター』、『マツダ3』、『CX-30』)は新型車のローンチの際にデザイン部門での監修のうえ販売促進のためにモデルを多く作り、その経験があること。また、型があるのでそれを使うため」。また、『RXビジョン』と『ビジョンクーペコンセプト』も、「同じくインターライドが以前『靭(SHINARI)』などのコンセプトカーの経験があることや、この2台は人気が高いのであらかじめ生産数を見込めるので、たくさん作ることにメリットのあるダイキャストで作った」とのことだった。

レジンに関しては、ディテールの再現性ではメリットが大きい。そこで、「古い35車種に関してはレジンで作った。また、生産数にばらつきが出てくるので、小ロットで作ることが出来るフレキシブルさもある」(中野さん)と述べた。

社外にこだわりのクオリティを伝える苦労

さて、スキャンした3Dデータをもとにモデル化していったが、実際に塗装すると大きく見え方が変わってしまったという。藤川さんは、「塗装前でももちろん指示はするが、塗装後も相当色々注文をしないともとに戻らない。その作業がすごく大変だった」と振り返る。

具体的には、「キャラクターラインなどもだれてしまった。小さくする時に一番印象が変わると思ったので、そこをいかにシャープに見せるかが苦労した」。その苦労は社外とのコミュニケーションにもあった。「マツダのモデラーもデザイン感覚がある方ばかりなので、このくらいといったら普通に出来てしまうが、そこを忠実に、しかも他社の方に伝えなければいけないのはすごく苦労した」と述べる。

特に、「マツダが気になるところというのは絶対にあり、その多くがマツダだけが気にしていることだった。例えばラインクオリティで、縮尺をぎゅっと縮めたことで波打ったらNGだとか」と話す。その点社内のデザイナーやモデラーは「何か違和感があると感覚でわかる。そういったところは、わかりやすいように縮尺をあえて変えるなど相手に伝わるように努力した」と藤川さん。

実は今回のモデルカーの仕上がりはオーバークオリティだという。「普通に飾る他にSNSでアップする人も相当多いだろう。そこで写真に撮っても綺麗に見えることはとても大事。その両立を目指して指示した。普通のモデルカーでは出来ないような美しさが出ている。それはモデルカーメーカーさんなどに頑張ってもらった賜物だ」と完成度を高く評価した。

そこで、少し意地悪く、社内のモデラーに作ってもらったらと聞いてみた。するとしばらく考えた後藤川さんは、「これくらい小さいものへの知見は、モデルカーメーカーが持っているものの方があると思うし、相当細かく、こんなところまで再現できるのかところまで再現してもらえた。そういうところはモデルカーメーカーの強みだ。ただもうちょっと大きければわからない(笑)」とのこと。そして、「ちょっと相談してみよう、面白い企画になるかもしれない」と笑った。

モデルカーメーカーも細部までこだわりを見せる

再三話の出たカラーについても両社のこだわりが実を結んだ。寺島さんは、「開発期間が短く、基本的には1回で100点を狙った。そのためにパントンというチップを駆使して出来る限り近づけた。しかし特徴のある色はどうしても再現性が難しいので、そういう色には2回くらいまで見た」という。

新部さんも、「マツダは赤にすごくこだわりがあり、その赤のボディーカラーでソリッドの場合には、赤でも少し暗めとか、ちょっとオレンジがかった赤など色々ある。その特徴を正確に出すことが、そのクルマらしさを表現することになる。そこで、デザイン部門とともに、こんな無理なことをいっても多分伝わらないし聞いてもらえないかも、と思いながらスパークに伝えると、スパークの人もかなり熱意のある人だったので、次の時に、これでどうか、と修正されたものが出てきて感服した」とのこと。

さらに、「1/43ではあるがミラーのステーや細い部品、メッキのモールはどこまで出来るかわからないけれども、とりあえずお願いして、かなり頑張ってもらった。インテリアにおいても例えばコスモスポーツの千鳥格子のシートなども、白と黒とグレーとブラウンもちゃんと忠実に再現されている」と新部さんも絶賛の様子だ。

中野さんも、「通常インテリアをどこまで再現するかはモデルカーメーカーの考え方などあり、結構省略されているところもある。しかし今回は忠実に当時の車両を再現するので、皆さんに頑張ってもらって、きちんと色も含めて指示を出させてもらった。スパークにはかなりのところまで再現してもらい、本当にクオリティの高いものに仕上がった。細かいところまで是非見て欲しい」とのこと。因みに中野さんはモデルカーコレクターでもあるので、そのこだわりは人一倍だったようだ。

スリーブにもこだわり

実はモデルカーへのこだわりはパッケージなどにも反映されている。中野さんは、「パッケージのサイズや裏にどういう紙を入れるのか、台座のネームプレートをどうするのか。そういったところは重要だと思い、細かくこだわった。それぞれのモデルカーには銘板、ネームプレートがシルバーで備えられており、これは当時のロゴをきちんと使うことを徹底的にこだわった」。

具体的には当時のカタログや実車からスキャンした。しかし、「これとこれではどちらが正しいのか、同じロゴでもカタログによって微妙に違ったり、国によって違うなどがあり、そのあたりは新部さんに協力してもらいながら作っていった」とのこと。コスモスポーツは海外ではマツダ『110S』という名称なので、銘板もコスモスポーツの下にマツダ110Sと入れてある。「グローバルで楽しんでもらうために日本の名前と海外での名前を併記しているので、そういったところも楽しんでもらえたら」とコメント。

スリーブに関しても著作権絡みでなかなか使える写真がなかった。藤川さんは、「なるべく楽しんでもらいたいという思いが強く、最終的には100周年特別の写真のスリーブを入れている。もともとはない予定だったが、急遽使える写真を選んでスリーブにした。そういったところも楽しんでもらいたい」と述べ、その結果こだわりまくったモデルカーたちが完成したのだ。

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