Home モデル 写真家ブルース・ウェーバーまで! モデル界にもセクハラ告発の波 [The New York Times]

写真家ブルース・ウェーバーまで! モデル界にもセクハラ告発の波 [The New York Times]

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ファッションモデルにとって、成功とはすなわち人々の欲望をかき立てる能力のことだ。この職業では、しばしばヌードになったり、誘惑するふりをすることも要求される。挑発的なビジュアルが、売上向上につながるからだ。この業界では、モデルの扱いについて、どこまでが適切でどこからが不適切なのかのボーダーラインが曖昧だ。

ここ数十年間、有名フォトグラファーたちは、このボーダーラインを超えても無罪とされてきた。そして、ファッションモデルやアシスタントたちにセクシャルな行為や言動をしても許されてきたのだ。かつては、モデルのキャリアのためには我慢しなければならないことだと考えられていたが、今は違う。権力の濫用であり、セクシャル・ハラスメントではないか、という声がモデルたちの間でも上がり始めている。

ブルース・ウェーバーを告発した15名の男性ファッションモデルの1人、ロビン・シンクレア (Lam Yik Fei/The New York Times)

服を脱いでボディタッチするように命じられた

著名フォトグラファーのブルース・ウェーバーを告発したのは、彼と一緒に仕事をしていた15名の男性ファッションモデルたちだ(引退したモデル含む)。ウェーバーは、『カルバン・クライン』や『アバクロンビー&フィッチ』などといったブランドで手がけた際どい広告で知られている。これらの作品は、商業とファインアートの両分野において、彼を一流フォトグラファーの地位にまで押し上げた。この15名がニューヨーク・タイムズに告発した内容は、不必要なヌードと性的な振る舞いの強要という点でパターンが共通していた。そしてそれは、しばしば写真撮影中に起こったという。

男性モデルたちの証言は、驚くほど酷似していた。ウェーバーとのプライベート・セッション中、まず服を脱ぐように命じられたという。次に、息を荒げ、モデル自身やウェーバーの体を触るよう指示されたのだそうだ。そして、体の中で“エネルギー”を感じる場所に手を持っていくようにと言われ、しばしばウェーバー自身の“その場所”にモデルたちの手を導くこともあったという。

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ブルース・ウェーバー (Evan Sung/The New York Times)

英国王室御用達でヴォーグ誌でも活躍しているマリオ・テスティーノについても、同様の告発がニューヨーク・タイムズ紙に寄せられた。1990年代半ばにテスティーノと一緒に仕事していた13名の男性アシスタントが、セクハラの被害に遭っていたのだという。

フォトグラファー2名の代理人は、本人たちは告発を受けてひどく落ち込んでおり、驚いているとコメントした。

ウェーバーは、弁護士を通して「このような告発を受けるなんて非常に心外ですし、極めてショックで悲しい気持ちです。告発内容については、完全に否定します」という声明を発表した。

テスティーノの代理人を務める法律事務所『Lavely & Singer』は、セクハラ告発者の信用性に懐疑的だ。声明によると、同事務所が聞き取り調査を行った複数の元スタッフは「告発にショックを受けた」とし、さらに「いかなる不服も、確認できなかった」とも発言しているという。

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マリオ・テスティーノ (Nina Westervelt/The New York Times)

ヌードになれなければキャリアアップできない

「もしマリオと一緒に仕事をしたければ、シャトー・マーモント(ホテル)でヌード撮影をしなければならなかった」こう話すのは、90年代にグッチのキャンペーンでモデルを務めたジェイソン・フェデールだ。「エージェントは皆、こうすることがモデルのキャリアアップに繋がると知っていたよ」。グッチでフェデールの後任を務めたモデルのライアン・ロックは、「彼は性的捕食者だった」と証言した。

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マリオ・テスティーノの元アシスタントで、彼を告発した13名の男性アシスタントの1人、ジェイソン・フェデール (Zack Wittman/The New York Times)

ヒューゴ・ティルマンは、大学を卒業して間もない1996年、テスティーノのアシスタントになった。テスティーノは、ティルマンと彼の母親をランチに招待し、ティルマンをメンター(師匠)として導きたいのだと語った。ティルマンは「彼のことが本当に好きだったし、尊敬していた」と当時を振り返った。

ティルマンはその後パリに移り、テスティーノの第4番目のアシスタントとしてフルタイムで働くようになった。そしてすぐに、第3番目にまで昇格した。ファッションの世界に魅せられ、やり甲斐を感じる一方で、ティルマンは次第に違和感を覚えるようになっていった。「他のアシスタントやモデル、ファッション編集者たちの前で、マリオから撮影中にマッサージを命じられることがよくあった」

ある日、ディナーを食べた後、テスティーノは路上でティルマンにキスしようとしてきたのだという。そしてその数週間後の出張中、宿泊先のホテルで、ティルマンはテスティーノから部屋に呼ばれた。テスティーノはティルマンをベッドの上に押し倒し、上に乗って両腕を押さえつけたのだそうだ。しかし、ちょうどその時にテスティーノの兄弟が部屋に入ってきて助けてくれたのだと、ティルマンは語った。

テスティーノの弁護士は、テスティーノの兄弟はそのような出来事はなかったと強く否定していると述べた。しかし、ティルマンの元ガールフレンドがあるインタビューで証言した内容によると、事件当時、ティルマンはテスティーノから受けた行為について彼女に相談していたそうだ。また、ティルマンは12月、ニューヨーク市人権委員会にこの件についての陳述書を提出している。ティルマンは事件の翌週末に退職し、現在はファインアートのフォトグラファーとして活動している。

テスティーノの代理人である法律事務所『Lavely & Singer』は、タイムズ紙に告発した個人がいずれも「信頼できる情報源とは言えない」と書面上で反論した。ティルマンについてはメンタルヘルスに問題があり、フェデールのヌードに関しても実際に撮影したのは別のフォトグラファーだとした。さらに、ハーブ・リッツというフォトグラファーが撮影したヌード写真を、フェデールが2015年に自身のインスタグラムに投稿していたことも指摘した。

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マリオ・テスティーノの元アシスタントで、彼を告発した13名の男性アシスタントの1人、ヒューゴ・ティルマン(Vincent Tullo/The New York Times)

胸がドキドキする写真が判断基準

ウェーバーの協力を得て極めて煽情的なブランド・イメージを作り上げてきたカルバン・クラインは先日、ニューヨーク・タイムズ紙の取材に対し「私はいつもと同じように、胸がドキドキするような写真を選んだだけ」と話した。つまり、そのような写真を撮影するためなら、現場でどんなことが行われようと構わないということだろう。

「(ヌード撮影は)まるで任意であるかのように説明されているけれど、実際にはそうじゃなかった」そう話すのは、『アバクロンビー&フィッチ』などのキャンペーンでウェーバーの元で2回働いた経験のある女性モデル、エリン・ウィリアムズだ。ニューヨーク市人権委員会に提出された陳述書の中で、彼女は「ヌード撮影を断ったモデルは、いずれも2日目でカットされていた。断らなかったモデルだけが、撮影の最後まで残った」と証言している。

しかし、1978年にウェーバーによって発掘され、長年彼のミューズを努めてきたジェフ・アキロンは12月、ウェーバーとの仕事の中で上記のようなひどい経験をしたことは一度もなかったと語った。「ここ数日耳にした話は、私がよく知っている彼の姿からは想像もつかないことで、非常に驚いている」

© 2018 The New York Times News Service[原文:Male Models Say Mario Testino and Bruce Weber Sexually Exploited Them/執筆:Jacob Bernstein, Matthew Schneier and Vanessa Friedman](抄訳:吉野潤子)

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