Home モデル 冬春モデル、auが充実でドコモが控えめなのはなぜ? 分離プランや5Gの考え方に違い – ITmedia

冬春モデル、auが充実でドコモが控えめなのはなぜ? 分離プランや5Gの考え方に違い – ITmedia

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 「4Gの集大成となる端末を、フルラインアップでご用意した」――こう語るのは、ドコモの吉澤和弘社長だ。同社は冬春モデルとして、スマートフォン5機種を発表した。

 夏モデルから、ドコモのラインアップは「スマホおかえしプログラム」の対象になるハイエンドモデルと、もともと安価なスタンダードモデルの2つに分かれているが、冬春モデルは前者が3機種、後者が2機種。フルタッチ操作になった「キッズケータイ」や、フィーチャーフォンの「らくらくホン」を加えた、全7モデルを用意した。


冬春モデルのスマートフォン5機種を発表したドコモ

 対するauは、記者会見こそ開催しなかったが、10月10日にフォルダブルスマートフォンの「Galaxy Fold」を独占的に取り扱うことを発表。ラインアップも全9機種と多く、ドコモにはないソニーモバイルの「Xperia 8」や、シャープの「AQUOS sense3 plus サウンド」などのミドルレンジモデルまで幅広く展開する。対照的に見える2社のラインアップだが、ここからは、2社の分離プランや5Gに対する考えの違いも透けて見える。

2万円アンダーの「Galaxy A20」を目玉に据えつつ、ハイエンドも網羅

 ドコモのスマートフォン全5機種の中で、目玉として扱われたのが、ミドルレンジモデルの「Galaxy A20」だった。吉澤氏は、「分離プラン時代には、スタンダードモデルが非常に重要になる」と語りながら、同モデルを紹介。発表会の壇上で、1万9440円(税別)という価格まで披露した。過去にも、“(税込みで)648円スマホ”として発売された「MONO」などで価格を強調する例はあったが、本体価格そのものが強調されたのは異例のことだ。

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2万円を下回る価格を打ち出したサムスン電子製の「Galaxy A20」


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発表会では、1万9440円という価格を強調。分離プランでのお得さをアピールした

 Galaxy A20は「非常にお求めやすいのが大きな特徴」(同)のモデルだ。2万円を下回る価格設定ながら、防水・防塵(じん)やおサイフケータイにも対応。「初めてスマートフォンを持つ人にも、ぜひオススメしたい端末」(同)に仕上がっている。

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エントリーモデルに近い価格ながら、おサイフケータイや防水・防塵といったいわゆる日本仕様にも対応する

 2万円を下回ることには、大きな意味がある。10月1日に、電気通信事業法が改正され、割引の上限が2万円に制限されたからだ。1万9440円のGalaxy A20であれば、販売状況に応じて、0円に近い価格まで下げることもできる。現時点では「補助の対象にするつもりはない」(同)が、フィーチャーフォンからの移行を促進する際に、「スタンダード端末にキャンペーンで補助をつけることもある」(同)という。

 もう1機種の「AQUOS sense3」も、コストパフォーマンスに優れたモデル。プロセッサはSnapdragon 636、ディスプレイはフルHD+とベースとなるスペックが高く、おサイフケータイや防水・防塵といった日本仕様を盛り込みながら、2万8800円(税別)と3万円を下回っている。デュアルカメラや指紋センサーまで搭載した、隙のないミドルレンジモデルといえる。

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シャープの「AQUOS sense3」も、ドコモオンラインショップでは3万円を切る価格で、性能に対して安さが際立つ

 スマホおかえしプログラムの対象になるのは、「Galaxy Note10+」「Xperia 5」「AQUOS zero2」の3機種。サムスン電子、ソニーモバイル、シャープと、ドコモで実績のある3メーカーのフラグシップモデルを、手堅く取りそろえた格好だ。一方で、スマートフォンには“ドコモ独占”のモデルがなく、他社にない「HUAWEI P30 Pro」が目立っていた夏モデルのラインアップと比べも、やや地味な印象が否めない。10月15日に米ニューヨークでGoogleが発表するとみられる「Pixel 4」の発売も見送ったようだ。

ドコモ


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左から、Galaxy Note10+、Xperia 5、AQUOS zero2

 また、auが独占提供を発表し、話題を集めた「Galaxy Fold」についても「関心は持っている」(同)としながら、冬春モデルとしては取り扱わない方針を示した。吉澤氏は「発表があってからいろいろあり、少し時間はたったが、同時に3アプリ起動できるマルチビューに長けた端末。今回はないが、状況は検討中で、5Gとも親和性の高い端末になる」と述べ、後継機や5G版を導入する可能性には含みを持たせた。

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5G導入直前でラインアップは控えめ? ミドルレンジはトータルで勝負

 ハイエンドモデルが3機種とやや少なめなのは、やはり5Gの導入を間近に控えていることが背景にありそうだ。吉澤氏は、「来年(2020年)春に向け、われわれ自身も5Gに軸足を移していく。端末はサービス開始前に改めて発表したい」と語った。

 「少し価格帯は高いが、それをいかに安くするか、ミドルレンジモデルをどう充実させるか(が課題)」(同)というように、当初はハイエンドモデルが中心になる見込みだ。ドコモは、5Gの商用サービスの開始時期を「春」としているが、もし他社と同様、3月だとすると、春商戦の時期にハイエンドモデルを数機種追加する可能性がある。

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5Gに軸足を移していきたいと語った吉澤社長

 以降は、「4Gオンリーのモデルはキッズケータイやらくらくホン、スタンダードモデルも4Gを残す部分はあるが、(その他の)端末には5Gを載せていく」(同)方針。冒頭で引用したように、吉澤氏が冬春モデルを「4Gの集大成」と評したのは、そのためだ。ただ、やはり5G待ちの買い控えが起こる可能性は否めない。仮に商用サービス開始時期が2020年3月だとすると、年度を通して見たときのラインアップも、数が多くなりすぎてしまう恐れがある。

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キッズケータイなどのターゲットを絞った端末や、スタンダードモデルには4Gオンリーのものが残るという

 一方で、もともとの価格が安いスタンダードモデルも2機種にとどまったが、「19年の夏モデルと全体で捉えていただきたい」(プロダクト部長 安部成司氏)と、通年でラインアップを構築していることを強調した。夏モデルは、分離プランの導入に合わせていたため、割引がなくても手に取りやすいスタンダードモデルを充実させなければならない事情もあった。

 そのため、「Xperia Ace」「LG Style2」 「arrows Be3」の3機種に加え、いわゆるキャリア仕様のドコモスマートフォンとは別枠になるが、Googleの「Pixel 3a」も採用している。いずれも販売は継続するため、スタンダードモデルは計6機種から選べる。選択肢は、年間を通して十分提示してきたというわけだ。auやY!mobileが採用した21:9のディスプレイを搭載するミドルレンジモデルの「Xperia 8」がないのは残念だが、Xperia Aceと価格帯がバッティングするという判断が働いたのかもしれない。

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発表会でも、スタンダードモデルは夏モデルと合わせて紹介された


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「Y!mobile初のXperia」として発売されるXperia 8。auも採用したが、ドコモでの導入は見送られた

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5G時代を先取りしつつ、ミドルレンジを大幅に拡充したau

 対するauは、スマートフォンだけで9機種と、豪華なラインアップを取りそろえた。目玉としてGalaxy Foldを据えつつ、ドコモが採用した5機種に加え、ミドルレンジモデルはXperia 8や「AQUOS sense3 plus」まで採用。シニア向けスマートフォンの新モデルである「BASIO4」もラインアップに加えた。

 豪華なラインアップになった背景について、KDDI広報部は「ラインアップは市場やお客さまのニーズに即して投入するものであり、適正なモデルを適正なタイミングで投入した」と語る。具体的には、5G時代の世界観を先んじて提示しつつも、10月1日の電気通信事業法改正を踏まえ、ミドルレンジモデルを拡充した格好だ。

 ラインアップをよくよく見ていくと、Galaxy Fold以外のハイエンドモデルはドコモと同じだが、“目玉”があることで先進性を上手に印象づけることができている。KDDIが「5G時代を見据えた『au UNLIMITED WORLD』にふさわしい、最新技術による折りたたみスマホを独占販売する」と語っていたように、Galaxy Foldの導入は、5G時代の世界観を先取りしてユーザーに見せる狙いがあったようだ。

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ハイエンドモデルはGalaxy Foldを除くと、ドコモと同じ端末

 あくまで世界観であり、実際に5G対応モデムが載っているわけではないのは少々残念なところだが、フォルダブルスマートフォンにはメーカー各社が取り組んでおり、高速・大容量が特徴の5Gでコンテンツが精細化した際の受け皿になることが期待されている。上記のように、ドコモの吉澤氏が「注目している」と語ったのはそのためだが、販路限定ながら実際に取り扱うことで注目を集めたという点では、KDDIが1枚上手だったといえる。

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フォルダブルスマートフォンのGalaxy Foldは、直営店などに販路を限定して販売する。5Gの世界観を見せるための、話題作りの側面も強い

 対するミドルレンジモデルは5機種と、価格帯を細かく分け、充実したラインアップを取りそろえた。背景には、やはり10月1日に実施された電気通信事業法の改正がある。KDDI広報部は、「電気通信事業法改正による分離プランの浸透に伴い、お買い求めやすく、使いこなしやすいミドルレンジモデルや、初心者向けのモデルを拡充した」と語る。

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ミドルレンジモデルは5機種と、価格帯別にバランスのいいラインアップを取りそろえた

 分離プランの導入は3社で最も早い2017年7月だったこともあり、ユーザーにもミドルレンジモデルが浸透している。年間を通して最も携帯電話が売れる2月、3月の春商戦に向け、割引がなくても手ごろな価格になり、売りやすいミドルレンジモデルを取りそろえておきたい意図もありそうだ。

 ここまで見てきたように、ドコモとKDDIのラインアップには、分離プランの浸透度や、5Gの世界観をどうユーザーに伝えていくかといったスタンスの違いが色濃く反映されている。新たな法規制と、次世代の通信方式導入の時期が非常に近く、キャリアにとって難しいかじ取りを迫られていることが伝わってくる。

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