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異端児が問うネット時代の流通モデル

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世界の流通業で主役企業の世代交代が起きている。米国では小売り大手のシアーズ・ホールディングスが、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請した。日本ではディスカウント店を営むドンキホーテホールディングスが、総合スーパー大手のユニーを完全子会社化する。

シアーズ、ユニーはともに百年以上の歴史を持つ名門の小売業である。20世紀型の大量消費の流れのなかで、かつては何でもそこそこ良い品が安くそろうと広く支持されたが、ネット通販の台頭や働く女性の増加など消費市場や社会の変化についていけなかった。

両社の挫折が示すのは、過去の成功体験に縛られた企業は衰退するという冷徹な教訓だ。

ユニーを傘下に収めたドンキは業界の異端児だった。商品が「取りにくい、見えにくい、探しにくい」という陳列で教科書の逆をいった。洗練された店づくりを良しとする同業他社からは、競争相手として意識されてこなかった。

だが29期連続の増収・営業増益は、消費者がドンキ流を支持した証左だ。ユニーの買収により、売り上げ規模はイオンセブン&アイ・ホールディングスなどに次ぐ国内小売業4位に浮上する。

その強みは消費者の目線で需要をつかみ、小売業の原点ともいえる買い物の「楽しさ」を追求している点だろう。商品を仕入れる権限を現場に大幅に委譲し、店舗ごとに品ぞろえを変えて多様な消費者の好みに応えた。

雑然とした売り場が面白いと訪日客の来店が増え、シンガポールなど進出先のアジア新興国でも支持されている。価格戦略の面でも、雑貨などで利益を稼ぐ一方で食料品を大胆に安くし、若者の娯楽需要だけでなく食生活の要となる主婦層を取り込んだ。

アマゾン・ドット・コムを筆頭に、あらゆる商品を安く短時間で自宅に届けるネット通販が世界で勢力を広げている。ネットで自動車までが売れる時代に、実店舗で商品を買う必然性は薄れつつある。シアーズは負債を削減して事業継続を探るが、実店舗の意義を再考しない限り、前途は多難だ。

来店時の驚きや発見など究極のリアル体験を重視するドンキ流の手法は、ネット時代における小売業の一つの可能性を示唆しているともいえる。消費先進国である日本で新しい流通モデルが次々と生まれることを期待したい。

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