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編集者との交流を「サブスクの目玉」にするパブリッシャー

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消費者収益を拡大するための手段として、読者や記者が編集スタッフと交流できる機会を設けるパブリッシャーが増えている。

雑誌の「ニューヨーク(New York)」は、会員制プログラムの「ニューヨーク・バイ・ニューヨーク(New York by New York)」で会員限定イベントに力を入れている。これらのイベントの運営や管理に携わっているのは、たいてい同誌の編集スタッフで、料理評論家のアダム・プラット氏なども含まれる。また、ニュースサイトの「アトランティック(The Atlantic)」は、会員制プログラムの「マストヘッド(Masthead)」で、編集者が交流できる電話会議を毎週開催している。テクノロジー系メディアの「インフォメーション(The Information)」(そして、米DIGIDAY)も、有料購読に対し、編集スタッフと話ができる非公開のSlack(スラック)チャンネルを提供している。

広告収入に支えられたパブリッシャーは、広告主と編集者のあいだに明確な境界線を引いているのが普通だ。だが、消費者収益の拡大を目指すなかで、多くのパブリッシャーが読者と編集者を引き合わせようとしている。

「重要なのは、編集サイドが協力的になることだ」というのは、読者収益モデルの構築を目指すパブリッシャーを支援する、ニュース・レベニューハブ(News Revenue Hub)の最高業務責任者、クリスティーナ・シー氏だ。「会員への特典の提供は、新しい会員を獲得するためではなく、既存の会員を引き留めることを目指すべきだ。会員が自社の主要な製品とつながりを持てたり、編集スタッフと交流したりできるような特典は、会員との関係を深化させ、会員からさらに収益がもたらされるようになる」。

重要度が増す適任者選び

編集チームが会員制プログラムに協力できるようにするには、ある程度の努力が必要だ。ニューヨーク・メディア(New York Media)のeコマース担当ゼネラルマネージャーで、ニューヨーク・バイ・ニューヨークの責任者でもあるカミラ・チョー氏によれば、編集者と交流したいかどうかを会員に尋ねたところ、その答えは「圧倒的にイエス」だったという。

だが、この役割を誰に担ってもらうかが問題となった。「乗り気な編集者もいれば、そうではない編集者もいる」からだ。「誰が適任なのか、誰がきちんとコミュニケーションを取ることができるか、誰が状況をうまく見極められるかを判断する取り組みが必要になる」と、チョー氏は話す。

そのあとも、イベントごとにどのスタッフが適切なのか考えなければならない。チョー氏はニューヨーク誌の編集チームから、イベントに積極的に参加してくれそうな人を選んだ。いまでは、イベントを企画するたびに、ビジネスおよび戦略担当編集者のデビッド・ハスケル氏と定期的に話をし、どのスタッフと取り組むべきか、その企画がイベントにフィットしているかを判断している。「(デビッド氏は)出演交渉担当者のようになっている」。

ビジネスに欠かせないピース

ほとんどのパブリッシャーは、読者との交流を記者の職務として規定していない。だが、会員制プログラムを持つパブリッシャーの幹部らは、その重要性を記者たちにはっきりと伝えている。ローカルデジタルパブリッシャーのスピリテッド・メディア(Spirited Media)で最高経営責任者を務めるジム・ブレイディ氏は、自社のメディアで雇ったすべての記者がビジネスに欠かせないピースだと述べている。「(読者と)話ができるスタッフがいることは、我々にとってきわめて大きな強みだ」と、ブレイディ氏はいう。「市役所関係の報道を20年間担当してきた人に、イベントの運営をはじめるよう命令するのとは訳が違うのだ」。

また、記者たちがイベントに割く時間を減らすことも重要だ。アトランティックでは、電話会議の参加者を持ち回り制にした。ニューヨーク誌では、特定の編集者ばかりが指名されないようにしている。

場合によっては、編集スタッフとオーディエンスのコミュニケーションから、新しい製品が生まれることがある。政治ニュースサイトの「ポリティコ(Politico)」は、4月12日にメールマガジン「ポリティコスペース(POLITICO Space)」のキックオフイベントを開催したが、このきっかけは、政府関係者向けメディア「ポリティコ・プロ(POLITICO Pro)」の記者や顧客サービス担当者の多くが、ニュースについてもっと深く知りたいという声を読者から聞いたためだ。

ポリティコで最高売上責任者を務めるボビー・モラン氏によれば、ポリティコ・プロの記者が報道している内容について有料購読者から意見が出ることはないという。だが、編集スタッフは、購読者が何に関心を持っているのかを常に把握する必要がある。そのため、顧客サービス部門と編集部門は週に1回、情報交換のためのミーティングを開いているという。

ブランドを体現する存在

記者を会員制プログラムに参加させる方法は、パブリッシャーによって異なる。だが、会員制プログラムのメリットを強調する最適な手段は、記者と交流できるようにすることだという考えには、ほとんどのパブリッシャーが同意する。「編集者自身が、我々のブランドをもっとも体現する存在なのだ」とチョー氏は語った。

Max Willens(原文 / 訳:ガリレオ)

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